ファミリー 引越の第一人者
物流センターは物流の論理には存在しないこれからの物流管理の考え方顧客を満足させるという重要な目的で存在するのであるから、もちろん物流センターの必要性は否定しない。
しかし、顧客の要求は変わるものである。
いまのサービス要求が永遠に続くわけではない。
また、物流サービスの是正を行うという取り組みも今後十分ありえる。
こう考えると、物流センターは、必要最小限の機能と規模で考えるべき存在のはずである。
この認識が物流担当者には欠かせない。
また、物流センターの規模を考えるにあたって「将来、物流量が増えるだろうから、拡張余地も考えておこう」などという発言が出たりもするが、これもおかしい。
物流は将来的に小さくしていくべきものである。
売上が増えても物流は小さくするというのが物流管理の役割である。
そうでなくては、物流コストの低減などできるはずがない。
物流センターなど立派である必要はない。
安全で働きやすければよいのである。
小さければ小さいほどよい。
必要なものを単純に流すことこそが、最も美しい物流なのである。
これからの物流管理において必要なのは、「物流を可能な限り小さくする」という発想である。
物流センターの数は可能な限り少なくする。
そのために物流サービスの見直しを行う。
物流センターの規模も可能な限り小さくする。
そのために在庫の配置を見直す。
やむなく作るものである。
本来的には、工場から直送したいが、それでは顧客の要求に応えられないために、要求に応えられる地域内に作るというのが物流センターである。
つまり、物流センターは物流の論理で作るのではなく、顧客サービスや営業支援のために存在するものである。
お読みいただきたい。
もう二○年以上も前の話になるが、ある大手メーカーの地方工場の倉庫を視察に行ったことがある。
さすが敷地が広いこともあり、倉庫も平屋でかなり広いものだった。
入り口が三カ所あったのだが端の一カ所しか開いておらず、そこから入った。
倉庫内には端から端まで棚が設置されており、そこにパレットで在庫が整然と格納されていた。
塵一つなく、清潔さを感じさせる雰囲気だった。
案内してくれた律儀そうな物流担当者の性格によるのかもしれない。
私は、コンサルタントとしての仕事柄、これまでに多くの物流担当者と出会ってきた。
彼らが実務経験から学んだ知恵に感心させられることも多あるが、的はずれな考え方に驚かされることも少なくなかった。
そこで、ここの最後に、そんな中で、物流の原点を考えるうえで参考になりそうなエピソードをいくつか紹介してみたい。
昔話なので気楽にこれからの物流管理の考え方のような見直しが、他の輸送、作業などの物流活動を小さくすることにつながっていく。
それでは、物流を小さくするためにどのように管理を進めていくか。
それが、次以降のテーマである。
ところで、その広い倉庫の中で作業が行われているのは、開いている入り口近辺だけであった。
そこ以外は、倉庫のどこにも人の気配がない。
つい私は「へ−、作業しているのはここだけなんですね」と愚問を発してしまった。
物流担当者は、うなずきながら、倉庫の手前三分の一くらいにある通路を指さして平然工場の物流担当者の悩みは、トラック業者から寄せられる苦情だった。
積み込みのためにトラックが何カ所もの倉庫を回らなければならず、積み込み作業に何時間もかかってしまっていたのである。
「何とかしたいのだが、倉庫の集約は物理的にもコスト的にも不可能で、やむをえずトラック業者には泣いてもらっています」とのことだった。
そこで、私は「各倉庫に別の製品を置くなんてことはやめて、工場に隣接する二つの倉庫に当面の出荷に必要な製品をすべて集めてしまうという手もありますよ。
そうすれば積み込みは二カ所だけで終わります。
まあ、他の倉庫から工場隣接倉庫に製品を補充するという新たな作業が発生しますけどね」と助け舟をそえてアドバイスをした。
その物流担当者は一瞬はっとした感じだったが、考え込むふりをしてから、苦渋の表情でこう答えた。
「はい、あの通路から向こうの製品は、ほとんど動きませんから」と答えた。
私は、そんな動かない在庫をどうして持っているのかという、これまた愚問を発しようとして、はたと質問を飲み込んだ。
そう、この物流担当者は、動く在庫と動かない在庫を分けて配置し、動く在庫の中だけで作業をさせていたのである。
動かない在庫など持たない方がいいに決まっているが、当時は大量に作って生産効率を上げるという考え方が主流であり、動かない在庫が発生してしまうことが避けられない状況だった。
それを前提にした物流担当者の知恵だったのである。
この視察で私が得たものは、きっと大きかったに違いない。
この光景はいまでもはっきりと思い出すことができるのだから。
その後、この工場には行っていないため、そのときの物流担当者がどうなったのかわからないが、二○年以上も前に、動かない在庫を区分管理する発想を持っていたのは大したものであるといわざるを得ない。
きっとこの工場は、その後ロジスティクスの導入が早かったに違いないと、私は勝手に思い込んでいる。
この話とも関連するのだが、同じ頃に、別のメーカーの工場倉庫では、まったく逆の場面に出くわした。
その工場では、まず生産ラインをどんどん作り、それから空いている場所に倉庫を作るという方針だったため、工場内外の倉庫が一○カ所以上に分散してしまつていた。
「たしかにその手もありますが、補充作業が面倒だし、ここからだけ出荷するとなるとトラックが入り切れなくなってしまう。
それに製品を入れる倉庫は、生産の人間が勝手に決めてしまうんですよ。
ですから、その方法も考えたんですが、現実には難しくて:::」本当にそう考えたのかどうかはわからないが、とにかく言い訳の多い人だった。
この場合は、別にコンサルで行った会社ではなかったので、それ以上は突っ込まなかったが、物流に限らず、この手のタイプの人は何か新しいことをしようとするとなかなか先に進めない。
一つの言い訳に対して対案を出すと、今度はそれに対する言い訳を返してくるから始末に負えない。
こうした担当者がいる会社の物流は決して進まない。
発想が常にできない理由探しになってしまうからである。
また、ある消費財メーカーのコンサルティングをしたときには、こんなことがあった。
物流センターで物流事情をヒアリングしていて、最後に、何か困ったことはないかと聞いたところ、「在庫を探すのが大変だ」という声が出た。
センター内の話ではなく、このセンターにはないけど、他のセンターにあるかもしれないという在庫を探すときの話である。
そのセンターで欠品が出ると、社内のどこかにあるのではと他のセンターを探すことになる。
だが、その問い合わせに手間がかかるので何とかならないか、という話である。
その声の主は「うちの端末からオンラインで他のセンター在庫も見られるといいんですけど」ここで、コンサルタントの出番である。
「そんなバカなことはやめなさい」の一言で、みんなが注目する。
そこで、こういう。
「どこにあるかを探すのではなく、ここにないときは、他のセンターにも回す余裕のある在庫はないという状況を作ればいいじゃないですか。
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